エンゲージメント戦略
当社グループは「社会の願いを叶える」ために、困難を乗り越え新たな価値を創造し続ける「人と組織」を育む施策に取り組んでいます。中長期的な経営目標達成のため、社会課題解決に資する事業やイノベーション創出を推進するためには、社員が企業活動の意義を理解し、組織の中で全員が強みを発揮・成長し続けることが不可欠です。一人ひとりの「働きがい」を重視し、多様な「個を知り、個を活かす」視点で、社員のワークエンゲージメントを高め、「社会に向き合い、挑戦・変革する文化」の創出を目指します。
社員と会社の価値交換性を高める持続可能なエンゲージメント
当社グループでは、「持続可能なエンゲージメント」を人材戦略の要として位置づけています。企業は社員に対して、人材価値に見合った報酬、成長支援、活躍の機会、充実したHRサービスを提供することで、自発的な貢献意欲が高まり、プロフェッショナルとしてより高い成果を引き出します。
また、「多様性フュージョン」を経営の目指すべき状態の一つとしています。社員一人ひとりが会社の企業理念・目指す方向性に共感し、組織の中で全員が強みを発揮・成長し続けることで、エンゲージメントを高め、イノベーション創出を目指します。
社員意識調査
TISでは2016年3月期より、社員の「働きがい」の現状把握を目的とした意識調査を、毎期実施しています。各現場組織の経営計画に働きがいや風土醸成に関するテーマを組み込むとともに、役員の評価指標に「働きがい満足度」を設け、実効性を高めながら施策を推進しています。
この結果、「働きがい満足度」は大きく向上しています。2020年3月期以降は、調査をグループ主要7社に拡大し、2024年3月期には全ての国内連結子会社(特例子会社を除く)が調査を実施しています。中期経営計画(2024-2026)では、国内連結子会社で「働きがい満足度」が58%を超えることを目標に、有効な取り組みをグループ全体で共有しながら、働く環境、制度、施策の充実をはかっています。
(※1)社員意識調査で「総合的にみて、働きがいのある会社だといえる」の設問に肯定的に回答した社員の割合。調査に参加した国内連結事業会社の加重平均。
GPTWの「働きがい認定企業」に選出
「働きがいのある会社」認定は、働く人へのアンケートの結果を基に、優れた職場文化に基づいた「働きがいのある会社」であることをGreat Place to Work® Institute Japanが正式に認定するものです。
TISは、2023年12月実施の「働きがいのある会社」調査において、「働きがい認定企業」に選出されました。
エンゲージメントサーベイを踏まえた「組織開発」
社員意識調査や組織状態サーベイ、アンケートなどを定期的に行い、エンゲージメントを高める施策を推進してきましたが、職場環境や働き方の選択肢といった衛生要因がほぼ整い、動機づけ要因を高める施策にシフトしています。
組織や事業の状態にフォーカスし、「現場マネジメント層」「HRビジネスパートナー」「組織開発のプロフェッショナル」の三者が連携・協議し、心理的安全性の高い組織づくりや、社員の活力を高める施策、ビジネスプロセスの改善など、各組織に合わせた取り組みを行い、成果につながっています。
心理的安全性の高い組織づくり
心理的安全性は、知識集約型業務の生産性を高め、より良い職場環境を構築するために不可欠な要素です。TISでは2022年度より、一人ひとりがあたりまえのように意思と意見を出し合い、これまでにない成果をあげ続けられる”最高のチーム”づくりを目指すkaikaプロジェクトがスタートしました。
kaikaには、開化(ビジネス成果の創出)と開花(チームとメンバーが能力を発揮できている)、2つの状態目標に向けた思いが込められています。「学びの機会づくり」「体験の機会づくり」「情報の横展開」の3つの取り組みをベースに社内への浸透と、グループ会社への展開を進めています。
人事制度・報酬制度
プロフェッショナルとして自立した社員は、自らのキャリアを描き、成長し、事業を通して社会に価値を提供します。そして、社員の提供価値に応じた評価と処遇は、企業と社員の成長を促すエンジンとして機能します。社員一人ひとりが企業の方向性を理解し、自らの意思で目標を設定することを重要視するとともに、公正な評価を実現し、提供価値に応じた処遇の向上に、継続的に取り組んでいます。
自律的な行動を促し、人材の高度化を実現する人事制度
TISでは、2023年4月より新しい人事制度を導入しました。新人事制度では、自立したプロフェッショナルとしての価値提供とグループの企業理念であるOUR PHIROSOPHY(OP)を体現する行動を評価することで、社員の成長を促し、人材の高度化を実現します。
また、OPを基軸とした会社と社員の価値交換性の向上を実現するマネジメント基盤として「Must/Will/Canフレーム」を導入しています。社員が会社の企業理念・目指す方向性に共感し、会社の目標と自分のやりたいこととの重なりを大きくしながら、『働きがいと成長を実感し活躍できる会社』を目指します。
TISの人事制度のコンセプトは、地域や事業特性を勘案しながらグループ各社に導入し、目標設定や評価の考え方の統一を図ります。グループ基本理念に基づくOPコンピテンシー評価は、グループ会社への導入を始めています。
評価制度
個人業績評価・OPコンピテンシー評価の二つの評価を基軸とし、社員の多様なパフォーマンス発揮に即した評価と処遇を実現するため、全ての評価は絶対評価で実施します。また、定期的な対話によるパフォーマンス発揮や能力/キャリア開発のための支援を行い、目標達成の確度と評価の納得感を高めます。
●個人業績評価
組織目標の意味を自分事化しより自律的な行動に繋げるため、Must(期待役割)/Will(キャリア志向)/Can(強み・課題)を半期ごとに上長とすり合わせ、目標設定を実施、その達成度を評価します。
プロセスを成果自体と分けて評価項目設定し、成功に至らずとも挑戦の過程を評価することで、挑戦をより後押しします。
●OPコンピテンシー評価
OPに基づく行動を促進し、浸透と定着を図るため、グレード毎に期待する行動を「OPコンピテンシー評価項目」として設定し、顕在化した行動を評価します。
等級制度
マネジメントだけではなく、よりハイレベルなプロフェッショナルも目指していけるよう、グレード体系を設定しています。グレード毎に求められる期待役割を明確化し、年齢や性別、働き方や働いた時間に関係なく、実力に基づいた公平・公正な評価・処遇を行うベースとしています。マネジメント職(事業部長・部長層)は職務等級とし、ポジションごとに求める人材要件をジョブディスクリプション(職務記述書)に明確化することで、マネジメント職の育成・配置・採用等に活用しています。
報酬制度
個人業績評価・OPコンピテンシー評価結果は賞与および次年度の昇降給に反映し、社員の貢献・価値発揮に応じた報酬を実現しています。社員と会社の価値交換性の向上を図るため、社員の高い貢献や価値発揮に対し、外部水準を鑑みた処遇を実現しています。
従業員株式所有制度
グループの従業員に対し、当社グループの中長期的な企業価値向上へのインセンテ ィブ付与、福利厚生の拡充及び株主としての資本参加による従業員の勤労意欲高揚を通じたグループの恒常的な発展を促すため、信託型従業員持株インセンティブ・プランを導入しています。 本プランは、「TISインテックグループ従業員持株会」に加入するすべてのグループ従業員を対象とするインセンティブ・プランです。