松岡 弘樹Hiroki Matsuoka
TIS株式会社 デジタルイノベーション事業本部 ヘルスケアサービス事業部 ファーマ&メディカルサービス部 エキスパート
2006年入社。アプリケーションエンジニアとして、様々な業界の新規開発・保守プロジェクトに従事。人々の健康増進に寄与するデジタルヘルス領域の開発業務をミッションとし、主にデジタルセラピューティクスのビジネス推進・開発マネージャとして活動する。また、エンジニアの経験を活かし、プリセールス活動や、ヘルスケア業界の新規サービス企画開発支援活動にも携わる。
2006年入社。アプリケーションエンジニアとして、様々な業界の新規開発・保守プロジェクトに従事。人々の健康増進に寄与するデジタルヘルス領域の開発業務をミッションとし、主にデジタルセラピューティクスのビジネス推進・開発マネージャとして活動する。また、エンジニアの経験を活かし、プリセールス活動や、ヘルスケア業界の新規サービス企画開発支援活動にも携わる。


「デジタルヘルスの可能性を広げ、誰もが健康で豊かな生活を送れるウェルビーイングな社会を実現したい」と語るのは、TISのデジタルイノベーション事業本部 ヘルスケアサービス事業部 ファーマ&メディカルサービス部でエキスパートとして活躍する松岡 弘樹。
ITの力を駆使して、人々が健康的で豊かな生活を送れる社会を目指しながら、デジタルヘルスの普及に取り組んでいます。本記事では、松岡の取り組みと見据える健康社会の未来像を探ります。
ITと医療の力で実現する、健康で豊かな生活
現在取り組んでいるお仕事の中で、ご自身が叶えたいと思っている願いは何でしょうか?
私が叶えたい願いは、デジタルヘルスの力で、人々の生活をより豊かに支えられる世界を実現することです。ヘルスケア領域では、健康の維持や増進、疾患の診断・治療に至るまで、IT技術の可能性が急速に広がっています。その中でTISでは、DTx(デジタル治療|Digital Therapeutics)の開発とサービス提供に注力しています。
DTxは、科学的根拠と臨床的な評価に基づいたソフトウェアを用いて、医師の指導のもと患者に治療を提供する新しい治療手段です。疾患の予防や管理、治療を目的としており、医療課題解決の新たな手段として期待されています。これにより、患者は自宅で治療を受けられるようになり、医療現場の負担軽減や精密な個別医療の提供が可能となります。
「健康」という誰にとっても最優先のテーマに対して、自分たちのIT技術を活用し、社会に貢献できることは非常に意義深いことだと感じています。

その願いを抱いたきっかけや背景があれば教えていただけますか?
私がこの願いを抱くようになった背景には、自分の仕事を通じて未来を担う人々や子どもたちに、より良い社会を届けたいという想いがあります。地方出身である私にとって、ITを活用することで、地域や場所に関係なく誰もが平等にサービスを受けられる社会を実現することは、以前からの目標でした。
特に、介護業界におけるデジタルデータを活用した科学的介護(介護DX)の推進支援や、製薬業界の新規ヘルスケアサービス企画支援を通じて、健康が人生における土台であり、非常に重要なテーマであると改めて実感しました。
例えば、介護業界のICT化による業務効率化、IoT機器やAIを活用した科学的介護企画支援に携わりました。製薬業界では、服薬や健康管理のための新規サービス開発に関わりました。
このような取り組みに携わる中で、健康上の課題やリスクを抱えながら生活する現実をより具体的にイメージするようになりました。この一連の経験がきっかけとなり、同じように健康への不安や課題を抱える多くの方々に寄り添い、少しでも安心を提供できる取り組みを目指したいという強い想いが生まれました。ITとヘルスケアの融合がもたらす可能性は、社会全体の貢献にとどまらず、私自身の身近な人々にも良い影響を与えられるものだと信じています。
課題を乗り越え、共創で未来を創る――DTx普及への道のり
ご自身が叶えたいと考えている願いに対して、どのような形で取り組まれていますか?
私は、ヘルスケアサービス(SaMD(※1)/ Non-SaMD(※2))の研究・開発を担当しています。2023年からは、製薬会社さまを支援する「DTx支援サービス」や医療機器製造業者としての活動を通じ、DTxの分野に取り組んでいます。
「DTx支援サービス」とは、疾患ごとの治療用アプリの開発を製薬会社さまと共に行い、臨床研究や治験、さらには規制当局への申請作業までをトータルに支援するサービスです。企画から治験、販売までの3つの局面を支援しています。
また、マネジメント力を活かしながら、先進的なデジタルヘルス領域での新しいプロジェクトや規制対応をパートナー企業と連携して推進しています。デジタルヘルス業界やお客さまのビジョン、課題、ニーズを深く理解し、それを基に治療用アプリのサービスを共に創り上げています。
※1 SaMD(Software as a Medical Device):医療機器として単独で機能するソフトウェア。デジタル技術を活用して診断や治療を行うことを目的とする。
※2 Non-SaMD(Non-Software as a Medical Device):日常の健康管理を目的としたソフトウェア。
※2 Non-SaMD(Non-Software as a Medical Device):日常の健康管理を目的としたソフトウェア。

それらの取り組みの中で、困難に感じる部分はありますか?
ヘルスケアサービス、とりわけDTxは、まだ前例が少ない分野であるため、多くの課題に直面しています。例えば、薬事承認や規制対応の戦略を練ることはもちろんのこと、DTxの普及を促進するための啓発活動、治療で収集されたデータの効果的な活用方法の検討、そしてビジネスモデルの構築など、開発以外にも非常に幅広い対応が求められます。
これらの課題は、一企業だけで解決できるものではありません。そのため、TISではJaDHA(日本デジタルヘルス・アライアンス)やPHRサービス事業協会といった業界団体に参加し、業界全体で知見を共有しています。また、お客さまやパートナー企業と密に連携しながら、課題を一つひとつ解決していく姿勢を大切にしています。
ご自身の職務を果たす上で、どういった部分にやりがいを感じますか?
私たちの活動が人々の健康に貢献し、ウェルビーイングに繋がることが最大のやりがいです。TISで働く中で、「自分が関わった仕事を通じて、未来を担う人たちや子どもたちに少しでも良いものを残したい」という想いを抱くようになりました。健康という万人共通のテーマに取り組むこの活動は、社会貢献であると同時に、私の身近な人にも良い影響を与えられる可能性があると信じています。
デジタルヘルス領域の企画・開発は、新しい分野であるがゆえに挑戦の連続であり、決して平坦な道ではありません。課題は尽きませんが、TISがこれまで培ってきたIT技術を駆使し、人々の生活を支え、健康面で悩みを抱える方々に具体的な支援を届けられることに、大きな意義を感じています。
また、このビジョンを共有し、同じ方向を目指す仲間と共に働けることも、私にとって大きなやりがいです。一人では乗り越えられないような課題でも、チームで取り組むことで解決への道筋を見いだせる。そうした日々の積み重ねが、社会に貢献しながら前進的に仕事に臨む原動力になっていると実感しています。

一人ひとりの健康に寄り添う、DTxが紡ぐ新しい社会のカタチ
今後、どのような領域、どのような関わり方で社会課題解決に貢献していきたいとお考えですか?
最終的な私の願いは、DTx支援サービスの提供という枠を超え、デジタルヘルスが描く未来を現実のものとし、より明るく希望に満ちたウェルビーイングな社会の実現に貢献していくことです。
具体的には、デジタルヘルスの価値をさらに高めるため、お客さまと共に新しいサービスを世に送り出していきたいと考えています。特に、個別化医療の推進を通じて、患者一人ひとりが抱える健康面での不安を軽減し、それが最終的にウェルビーイングの向上に繋がることを、しっかりと世の中に発信していきたいです。
デジタルヘルスの普及には、一つひとつの実績を積み重ねていくことが不可欠です。そのためには、プロジェクトを支えるチームのメンバーが成長し、多様な視点やスキルを持つ仲間たちの強みを活かすことが重要です。私は、そのようなチームの成長を支援し、組織全体がより大きな価値を提供できるよう、マネジメント面でも積極的に取り組んでいきたいと思います。
これらの取り組みを通じて、健康で安心できる生活を誰もが享受できる社会を目指していきたいと考えています。
※本記事の内容は、2024年11月21日時点のものです。

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