Project Story 03 自社サービス事例

トークンリクエスタ代行サービスの立上げ

ビジネスイノベーションユニット マネージャ 阿部 一彬33歳 ※写真左 2012年新卒入社

ERPパッケージの開発保守を経験した後、入社3年目よりビジネスイノベーションユニット(BIU)の前身となるコンサル組織に異動。金融系や通信系のコンサルティングや、社内の事業企画、事業推進を担当した後、2018年より本プロジェクトに参加。

ビジネスイノベーションユニット シニアコンサルタント 高梨 幸司40歳 ※写真右 2005年新卒入社

入社後はクレジットカード会社向けシステムの開発保守、アカウント向けの新規提案を担当。新規サービスの企画提案もする中で、もっと本格的にコンサルティング業務に従事したいと考え、2020年7月に自らの希望でBIUに異動し本プロジェクトに参加。

プロジェクト立上げの背景・課題

日本でキャッシュレスが普及する前から、欧米では銀行などを中心にモバイルでのタッチ決済サービスが登場し始めていました。日本におけるサービス展開を目指して、TIS社内の決済サービスの企画組織が海外ベンダーとともにサービスを立上げたことが、このプロジェクトに携わることになったきっかけです。

社内で生まれたこのビジネスの種を本格的に成長させるため、今一度サービスのありようや商品のロードマップを検討することになり、私たちBIUのコンサルタントが参画して数年かけて事業開発に取り組んでいます。

ソリューションと今後の展望

現在は、事業のひとつとして「トークンリクエスタ代行サービス」を提供しています。EC決済で利用されるクレジットカード番号などの機微な情報は、トークンと呼ばれる別の文字列に変換されてクレジットカード会社に送られる仕組みを利用しています。ただし、このトークンを発行する事業者との接続には多大なコストと手間がかかり、トークン利用事業者(以後トークンリクエスタ)にとってはサービス開発の課題になっていました。

この課題を解決するため、大手金融機関A社と共同で取り組んでいるのが、「トークンリクエスタ代行サービス」です。このサービスは、各トークン発行事業者と接続した基盤を保有することで、トークンリクエスタの代わりに発行事業者と接続を行うサービスです。

わかりやすく言うと、このサービスを利用することで、スピーディかつ低コストでオリジナルウォレットなどのトークン利用サービスを開発できるようになります。当社が培ってきたペイメントIT基盤構築・運用の専門性と、金融機関A社のペイメント事業に関わる知見という両社の強みを活かして共同で開発を進め、2019年春よりサービスをスタートさせました。

当初サービスを立上げる段階では、まだこれほどキャッシュレスが普及する前でしたが、現在は様々な決済手段やサービスが広がっています。その中でどのような優位性を作り、他社とどう差別化していくかというのが課題です。また、私たちが作り上げているのは、機密情報をセキュアに格納、配信、管理する技術なので、これを他の技術や他のサービスに応用していくために、並行して新たな企画も進めているところです。

それぞれのプロジェクトへの想い

阿部
これまでコンサルをメインでやってきましたが、この案件は自社サービスとして立上げたもの。コンサル案件では顧客の業務改善のひとつのフェーズしか携われなかったものが、現在・将来の市場環境を見据えて自分事として取り組めるというのが大きな違いですね。事業の成功も失敗も自分たち次第なので、その分やりがいと責任が大きいです。

高梨
自社サービスを企画する上で、自分たちの技術をベースに様々な企業と話し合いを行い、サービスの質を高めていく検討をしていくことに魅力を感じています。TISの強みは、SIerとして多くの業種や企業とのつながりがあること。何かやりたいことがあったら、様々な企業と技術やサービスを融合させ合って事業を作っていけるところは面白さだと感じています。

※所属、職名等は、インタビュー当時のものです。