Project Story 02 事業共創事例

5Gを活用した共創

入社後は官公庁向けや地方自治体向けのソリューションの立上げや事業推進、プロジェクトマネジメントなどを12年経験。2018年の部門立上げに伴い、ビジネスイノベーションユニット(BIU)に異動。新規事業企画コンサルタントとして、大手製造業にて銀行APIを活用したサービス創出など、コンサルとして新規事業企画を支援。2020年より本案件にリーダーとして従事。

ビジネスイノベーションユニット シニアマネージャー 水船 慎介39歳 2006年新卒入社

プロジェクト立上げの背景・課題

このプロジェクトの発端になったのは、東京都が開始した「5G技術活用型開発等促進事業 Tokyo 5G Boosters Project(以後 5G活用促進事業)」です。この事業は、5G技術を活用したイノベーション創出や新たなビジネス確立の促進を目的として、民間事業者が開発プロモーターとなってスタートアップ企業を支援するというもの。

東京都に採択された開発プロモーターが、東京都や通信事業者などと連携して3ヶ年度にわたってスタートアップ企業を資金面や技術面から支援していく事業です。

TISでは近い将来に社会実装が進み活用が期待される5Gに着目し、いち早く自社で活用できる環境を構築すべく、自社オフィス内にローカル5G基地局の設置を進めていました。ちょうど、この基地局を新技術の検証や事業開発に活かしたいと考えていたタイミングだったため、5G活用促進事業はTISにとってもメリットの大きい事業だったんです。

しかもTISでは、2015年からスタートアップや大手企業との連携による新規事業創出を目的としたインキュベーションセンターを設立しており、スタートアップとの共創は得意分野。TISが強みを持つペイメント、AI、XR、ロボティクスなどの技術とスタートアップが持つ独自技術を組み合わせ、イノベーションやビジネスの創出を目指して、2020年10月に開発プロモーターとして採択いただき、プロジェクトに参画しました。

ソリューション

同時に進めていたローカル5G基地局についても、2021年4月に総務省よりローカル5G無線局免許を取得し、豊洲オフィスにローカル5G基地局を開設させました。豊洲オフィスにはローカル5Gのインフラ環境だけでなく、AI、XR、IoTなどの最新デジタル技術を活用できるラボやショールームを併せた施設としてTIS DIGITAL Innovation Centerをオープン。開発プロモーターとして、支援するスタートアップの活動拠点としても提供しています。これにより5Gを使ったAI映像分析や、大容量XRコンテンツのリアルタイム配信といった複数要素の最新技術を組み合わせられるようになり、スタートアップはよりスピーディかつ詳細な研究・実証が可能になります。

2021年9月現在では、スタートアップや事業会社、研究機関と共創してプロジェクトを進めており、豊洲オフィスのショールームではそれぞれの企業のサービスや商品も紹介しています。ありがたいことに、プロジェクト参画に興味のあるスタートアップからの引き合いもいただいているため、ソーシング活動も並行して行っているところです。

プロジェクトと自身の今後の展望

今後は、事業化の検討を進めているスタートアップとの5G技術を活用した新ビジネスの立上げと、新たなスタートアップのソーシングと支援を同時に進めていきます。当社の強みは、単なる資金や技術の提供だけでなく、当社自身も新規事業立上げを積極的に進めているため、事業化に関するノウハウも持ち合わせていること。

数年前より社内では新規事業提案制度もスタートし、年齢や年次に関係なく誰もが新規事業立上げにチャレンジできる環境になり、各事業部から新しいことをやろうという事業創出の波が生まれています。BIUでは、社内外への新規事業企画に対するコンサルティング支援はもちろん、社内の各事業部や社外の事業パートナーと連携して、自らが事業主体となってビジネスを展開することができるので、これからもゼロから新しいものを作り出していきたいと思っています。

※所属、職名等は、インタビュー当時のものです。