Project Story 01 戦略コンサルティング事例

製薬業におけるDX戦略策定

ITで世の中をより良くしたいという想いでSIerを希望し、ワークライフバランスも大切にした働き方ができるTISに新卒入社。金融領域の営業職として3年経験した後、より経営に踏み込んだ課題解決がしたいと考え、社内公募制度を活用して2019年にビジネスイノベーションユニットに異動。

ビジネスイノベーションユニット シニアコンサルタント 杉田 優磨28歳 2016年新卒入社

プロジェクト立上げの背景・課題

中堅規模の製薬会社A社では、ここ数年売上は横ばいで利益は微減と、経営状態の芳しくない状態が続いていました。現状を打破するためにもDXに挑戦したいという考えはあるものの、そもそも何をしたらいいのかわからず、レガシーな基幹システムもDX推進の足かせに。

そこで、経営にもインパクトがあり、現場も納得できるようなDX中期戦略を策定することになり、複数社によるコンペを実施。DX戦略を得意とするTISにも声がかかり、参加することになりました。

ソリューション

2021年2月にコンペの声がかかり、3月に提案を実施することに。提案において特にこだわったのは、「経営層と株主が合理的な投資であると感じられること」「現場の工数削減や働き方改善につながること」「現在の業務から無理のない移行ができること」の3点です。

経営、業務、IT全ての視点からAs-Is(現状)を洗い出してから、To-Be(あるべき姿)を経営層だけでなく現場ともディスカッションして描くという実効性の高い戦略を意識して提案を作っていきました。それが功を奏し、コンペでは「地に足のついた提案」という高い評価を得て、当社の提案を採択いただくことになりました。

実際にプロジェクトが始まったのは2021年5月から。5月はまず財務帳票や決算資料などを調査してより詳細にAs-Isを分析し、経営課題やIT課題から、営業や工場など各部門の仮説課題を抽出。To-Beを描いていきました。

6月は、各部門へのヒアリングを毎日のようにさせていただき、こちらで立てた仮説課題をぶつけて精緻化し、現場にフィットするTo-Beになっているかどうかを検証。コロナ禍ということもあり対面では難しいこともありましたが、リモートでの工場見学にもご協力いただき実際に活用する現場の動線なども検証していきました。

7月は、現場の責任者クラスの方々やDX部門の方々とともに、投資のスケジュールに合わせて具体的なロードマップに落とし込み、8月に経営層への提案を行い承認いただいたところです。

プロジェクトと自身の今後の展望

今後は戦略に基づいて、一領域ずつ変革を行っていくフェーズです。当社は独立系コンサルなので、各領域へのシステム導入には資本関係の縛りもなく、最適なベンダーとの座組みができるのもひとつの強み。一方で、SIerとしての一面もあるため、社内の専門部署と相談しながら、導入する領域にマッチするソリューションへと詰めていくことができます。

現在は営業やマーケ、工場、調達物流、本社など、それぞれの領域に複数の古いシステムが入っているため、まさにこれからがタフな時期になっていきます。そんなタイミングですが、実は私自身は育休の取得で2ヶ月間プロジェクトを離れることに。もともとワークライフバランスも重視してTISへの入社を決めましたが、男性の育児休暇取得も奨励されており、その決断は間違ってなかったと感じています。ただやはり、戦略立案したものに最後まで責任を持って携わりたいという想いは強いので、復帰後にはお客様がDXで課題を乗り越えて成長していけるように関わりたいと考えています。

※所属、職名等は、インタビュー当時のものです。