IOS(ITオファリングサービス)
TISインテックグループの蓄積したノウハウと、先進技術を組み合わせ、先回りして顧客の求めるITソリューションサービスを創出。顧客企業および市場へスピーディに提供する。
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私たちの生活に、急速に浸透しているキャッシュレス決済。現金を持ち歩くリスクがなくスピーディな処理ができるため、消費を押し上げることが期待されている。経済産業省は、2025年6月までにキャッシュレス決済比率を倍増し、4割程度とすることを目指している。そのためには、高度なITの力が不可欠だ。そこで、プレゼンスを示しているのが、金融・決済分野を強みとするTISである。
「日本を代表する金融企業さまを中心に、長年にわたって基幹システムをご提供してきたため、技術の蓄積があります。」と話すのは、開発部門のプロジェクトマネージャー。
特に知られているTISの決済ソリューションに、バックオフィスからフロントエンドまで、デジタル決済サービスをトータルで提供する『PAYCIERGE』がある。インターネットを通じて提供する、SaaS型のサービスだ。
「『PAYCIERGE』というのは、サービス群のブランド名で、お客様のニーズに合わせて取捨選択、カスタマイズができます。キャッシュレス決済の種類には、プリペイドカードや電子マネーに代表される“先払い”と、クレジットカードに代表される“後払い”、デビットカードに代表される“即時払い”がありますが、それらすべてに対してソリューションを用意しています。」
中でも、デビットカードのイシュイング(発行)に必要な環境をワンストップで提供するサービスは、国内市場シェア86%(※)を占めている。(※市場シェアについては当社調べ)
「デビットカードは、カードを作る際の与信 (返済能力などを審査すること)が不要なため、未成年や現役を引退された方も利用しやすく、クレジットカードの後払いを敬遠する層からも受け入れられています。」
POINT01
日本政府は、キャッシュレス決済比率を倍増する目標を立てている
POINT02
TISは、キャッシュレス決済でプレゼンスがある
POINT03
あらゆる決済シーンを実現するTISの決済ブランド『PAYCIERGE』
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成長著しいキャッシュレス決済市場の中でもデビット、プリペイド市場は、金融業界からの期待が大きく、今後も伸びていくと前述のプロジェクトマネージャーは考えている。
「銀行であれば、新規顧客が口座を開設する際に、国際ブランドと提携したデビットカードと一体型のキャッシュカードを発行されるケースが多い。国際ブランドの決済ネットワークを使うことで多くの加盟店での利用を促進できます。ユーザーも、新規開設した口座がそのまま決済の口座になる利便性があります」。
「TISは、国際ブランドカードのエンハンスサービス(セキュリティやサービス拡充についての対応)も強みの一つ。日本においてデビットカードのMastercardの対応事例は少なく、TISが先駆けて対応しています。」
特に力を入れているのは、セキュリティの領域だ。「不正利用は、カード会社の業務をストップさせ、損失補填は、企業利益を圧迫します。セキュリティに対する不安は、ユーザーの利用にブレーキをかけることにつながります。PCI DSSという厳しい国際的なデータセキュリティ基準をクリアしつつ、より安全で安心な独自のセキュリティの仕組みをブラッシュアップして開発しています」。
TISは、先行投資型ビジネスであるITオファリングサービス(IOS)に力を入れているが、お客様から依頼されて機能を開発するだけでなく、ニーズが生まれそうな技術を、先回りして投資開発してもいる。
「サービス利用料からくる収益を投資に回して開発に力を入れ、サービスを拡張する好循環によって、『PAYCIERGE』はより強固なプラットフォームになっていくのです。」
POINT01
TISの強みと顧客からの期待
POINT02
キャッシュレス決済普及のカギはセキュリティ
POINT03
ブランドエンハンスもTISの強みの一つ
POINT04
IOSを推進し、収益を新たな開発に投資
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TISは、キャッシュレス決済の新しい市場を創り出すことにも力を入れている。「近年は、ベンチャー系フィンテック企業や非金融業界(流通・リテールなど)からも、金融に参入する動きが広がっています。これまでは、大多数のニーズに合わせる形でクレジットカード等のサービスが普及してきましたが、クレジットカードに抵抗感がある高齢者や与信審査に通らない若年層からも、自分たちに合ったサービスを求める声が上がっているのです。」
それらの新たな決済プレイヤーは、自社固有機能を求めるよりも、必要な機能を包括し、素早く導入できる決済サービスを求めている。このニーズに対応するために、『PAYCIERGE』を提供している。
「例えば、APIベースで開発してインターフェースをオープンにし、開発効率を上げたり、費用を抑えたりすることも検討しています。」
フィンテック企業には、優れたUI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)を提供しているところもあり、未知のサービスを開発する手ごたえも感じている。
「私たちは、キャッシュレス決済の様々なニーズに応え、多種多様なサービスを展開してきました。スマートフォン以外に、スマートウォッチなどウェアラブル端末での決済対応や、さまざまなサービスに決済を組み込むEmbedded Finance(エンベデッドファイナンス)の提供、デジタルマネーに直接給与が支払われる仕組みを法改正後提供していくなど、利用者の促進につなげていきます。」
TISは86%の市場シェア占めるデビットをはじめ、クレジットやプリペイドなど決済コア領域で高いシェアを獲得。
また、マーチャント領域やQR、Walletなどの決済フロント領域への事業拡大も進めており、2024年度には、決済関連サービス売上360億円を目指す。
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金融業界外から金融に参入する企業も出始めている
POINT02
エンドユーザーのニッチなニーズは、ビジネスチャンス
POINT03
2024年度の決済関連サービス売上360億円