TIS、コクヨに「マネージドサポートサービス」のAWSマルチアカウントスイートを導入
~マルチアカウント環境の安全性を向上し、ガバナンスを強化~
2025年7月7日
TIS株式会社
TISインテックグループのTIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本 安史、以下:TIS)は、コクヨ株式会社(以下:コクヨ)に、「マネージドサポートサービス」を導入、そのメニューの一つであるアマゾン ウェブ サービス(AWS)マルチアカウントスイートを活用することで、コクヨのBtoBサービス基盤をAWSマルチアカウントへ移行、金融業のセキュリティ基準対応と柔軟な運用管理を実現したことを発表します。
TISが提供する「マネージドサポートサービス」は、AWS請求代行やセキュリティ対策、アカウント作成・移管作業、各種サポート利用、申請の代行など12のメリットを備えたマネージドサービスです。一般的な情報に加え、TISが大規模AWS開発・運用案件で得たベストプラクティスに基づいてサポートしています。
AWSマルチアカウントスイートは、「マネージドサポートサービス」の契約者を対象に提供しているメニューであり、初期費用不要でマルチアカウント環境で必要となるセキュリティとガバナンスのベストプラクティスを提供しています。
背景
コクヨは、2025年に創業120周年を迎える文具・オフィス家具メーカーです。文具・事務用品やオフィス家具の製造・販売をはじめ、働く空間の構築まで幅広い事業を展開しています。コクヨは早くからデジタル領域にも進出し、クラウド市場の拡大前に、ユーザー企業の業務効率化を支援するBtoBサービスの提供を開始しています。2004年開始の「@Tovas」(アットトバス)は、企業間の伝票発送業務を自動化・ペーパーレス化するサービスです。また、金融機関の文書管理に特化したサービス「Re:FIND」(リファインド)も提供しています。
2022年、コクヨはこの2つのサービスの基盤をデータセンターのオンプレミス環境からクラウドに移行することを検討し、今回の「マネージドサポートサービス」導入に至りました。
TISと「マネージドサポートサービス」選定理由
TISと「マネージドサポートサービス」が評価されたポイントは以下の通りです。
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TISインテックグループに対する長年の厚い信頼
移行対象となった「@Tovas」「Re:FIND」のオンプレミス基盤の構築・運用を約15年にわたりTISインテックグループの株式会社インテック(本社:富山県富山市、代表取締役社長:疋田 秀三、以下:インテック)が担当しており、信頼関係を構築できていた。 -
AWSを主軸としたマルチアカウント構成の提案
コクヨが近年のサービス立ち上げで多く採用しているAWSを主軸とする提案内容であったこと。AWSをマルチアカウント構成にして、2つのサービスの領域を完全に分けて運用することで、コンソール画面を分離して誤操作を防止したり、社員ごとのアクセス権限を管理しやすくなるといった点を特に高く評価。 -
TISの知見に基づくセキュリティ設定をプリセットで用意
専門的な知識が必要とされるAWSのセキュリティ対策のすべてを社内で検証・評価するのは限界がある中で、TISがこれまでの経験で得たベストプラクティスを活用できる点で合理的であったこと。 -
事業部別のコスト管理を効率化
マルチアカウントではAWSから複数の請求書が発行されるため、事業部ごとの支払額を算定する際の処理が煩雑化。AWSマルチアカウントスイートでは、TISが一本化した円建ての請求書の中にアカウントごとの内訳が一覧表示されるため、コスト処理の効率化が期待できたこと。
導入
今回AWS上に構築するアカウントの個数は、BtoBサービスの事業部別の2つのアカウントに、本番環境用・開発環境用などを加えて合計12個としました。2023年6月にスタートしたプロジェクトでは、インテックが全体を統括し、コクヨの一次窓口になり、TISはAWSを再販する役割とともに、「マネージドサポートサービス」の設定など技術面をサポートする役割を担いました。
移行対象のサービスがBtoB型であることから、コクヨからユーザー企業への事前説明を行いつつ、慎重にテストを重ね品質を高めていき、基幹業務に「@Tovas」「Re:FIND」を利用しているユーザー企業は、UAT(User Acceptance Test)の形で品質の検証に協力しました。特に銀行など金融業のユーザー企業は、社内に厳格なセキュリティ要件が定められているため、クラウド移行にあたってネットワーク周りのセキュリティに不安を感じるという声もありました。しかし、セキュリティのプリセットで安全性を強化できたこともあり、ユーザー企業内の審査を無事に通過しています。
こうして約1年3カ月のプロジェクトを終え、2024年9月に2つのサービスが同時に本番稼働をスタートし、早期に安定稼働が実現しました。
効果
「マネージドサポートサービス」の導入効果は以下の通りです。
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以前のオンプレミスとほぼ同等の品質・安全性
オンプレミスではストレージの容量拡張や、CPU・メモリのリソース調整が困難であったが、各アカウントがリソースを気にせず柔軟に拡張できるようになり、ユーザー企業増加に伴いストレージ領域を拡張したい場合など、迅速な対応が可能に。 -
マルチアカウント環境の安全性を向上し、ガバナンスを強化
プリセットされたセキュリティ設定を利用することで、検証の手間・時間をかけずにマルチアカウント環境の安全性を向上。また、統合管理用のアカウントを設け、社員のアクセス権限の管理を厳格化したことで、ガバナンスを強化。
コクヨ株式会社 イノベーションセンター @Tovas事業部 システムグループ グループリーダー
渡部 善之氏
コクヨ株式会社 イノベーションセンター @Tovas事業部 システムグループ 米山 健吾氏
コクヨ株式会社 イノベーションセンター ドキュメントソリューション事業部 開発グループ
立石 夏実氏 コメント
移行対象の2種類のBtoBサービスは、お客様にとってビジネスインフラとも言えるもので、万が一サービスが止まるようなことがあれば、発注伝票を送信できないといった深刻な影響が及んでしまいます。今回、同じグループのインテックとTISが連携することで、高い品質が要求されるプロジェクトを不安なく進めることができました。
2種類のBtoBサービスをクラウドへリフトした今、次のテーマはシフトつまり最適化です。今後、AWSのさまざまな機能をいち早く取り入れてサービスをよりよいものに拡張していく計画です。BtoBサービスがクラウドネイティブに進化していく中、コスト負担の可視化をはじめAWS運用管理に“柔軟性”をプラスできる「マネージドサポートサービス」の役割はさらに大きくなっていくと思います。
TISインテックグループが、これまでのシステム構築で経験してきた技術や知識が、我々のプロジェクトでも生かされていると感じる場面が多々ありました。これからも、蓄積された総合的な知見を、当社のクラウド基盤の進化に取り込んでいただけるよう、活発に会話をする関係を継続いただければ幸いです。
本件の詳細は以下URLもご参照ください。
https://www.tis.jp/casestudy/casestudy_174.html
「マネージドサポートサービス」について
AWS請求代行やセキュリティ対策、アカウント作成・移管作業、各種サポート利用、申請の代行など12のメリットを備えたマネージドサービスです。一般的な情報に加え、TISが大規模AWS開発・運用案件で得たベストプラクティスに基づいてサポートします。
本サービスの詳細は、以下URLをご参照ください。
https://www.tis.jp/service_solution/aws/managedsupport/
コクヨ株式会社について(https://www.kokuyo.co.jp/)
1905年創業のコクヨは、文具やオフィス向け家具などの製造・販売、オフィスの空間デザインを通じて、時代ごとのお客様の課題に向きあってきました。2021年に自らの社会における役割を「WORK & LIFE STYLE Company」と再定義し、「働く」「学ぶ・暮らす」のドメインで文具や家具だけにとらわれない豊かな生き方を創造する企業となることを目指しています。
TIS株式会社について(https://www.tis.co.jp/)
TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客さまのあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客さまと共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。
TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としたさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係からのお問い合わせ先
TIS株式会社 企画本部 コーポレートコミュニケーション部 三輪
E-mail:pr@tis.co.jp
本サービスに関するお問い合わせ先
TIS株式会社 IT基盤技術事業本部 IT基盤ビジネス事業部 IT基盤ビジネス推進部
E-mail:ps-info@ml.tis.co.jp
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