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TIS、富山市センサーネットワークでハイブリッドLPWAを利用した実証実験を実施
~ 公共施設管理の課題解決に向け、様々なセンサーで見える化を実現 ~

2020年3月16日

TIS株式会社

TISインテックグループのTIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役会長兼社長:桑野 徹、以下:TIS)は、次世代LPWA(Low Power Wide Area)技術ZETA※1の日本総代理店の株式会社テクサー(本社:東京都港区、代表取締役 CEO:朱 強、以下:テクサー)と共同で、「富山市センサーネットワーク※2」を活用した「公共施設環境の見える化による快適な施設利用やエネルギー効率化」(以下:本実証実験)の実証実験を、2019年12月10日~2020年1月31日にかけて富山市科学博物館と富山市立図書館本館で実施したことを発表します。

※1:ZETAは、超狭帯域 (UNB: Ultra Narrow Band) による多チャンネル通信、中継器を用いたメッシュネットワークによる広域での分散アクセス、双方向での低電力通信が可能といった特長を持つLPWAN通信規格です。

※2:富山市センサーネットワークは、ICTを活用して都市機能やサービスを効率化・高度化するスマートシティの実現に向けて富山市が構築した基盤です。リアルタイムに変動する様々な情報を市内全域のセンサーネットワーク網からクラウド上へ集約し、複合的に分析・可視化することで、幅広いサービスへの展開を実現するためのものです。なお、本基盤の構築・運用はTISインテックグループの株式会社インテックが担当しています。

本実証実験では、施設管理の最適化と利用者の快適性の向上を検証することを目的に、以下内容を実施しました。

  1. 1)IoT環境の構築におけるLPWAのZETAとLoRaWAN※3を活用した用途に応じた施設の最適化の検証
  2. 2)収集したデータを「富山市センサーネットワーク」のIoTプラットフォームである「FIWARE(ファイウェア)※4」に集約し、分析して可視化

本実証実験の概要

本実証実験の概要

※3:LoRaWANは、LPWAN通信規格で、LoRa Allianceで規格化が進められている低消費電力の広域ネットワークプロトコル。

※4:FIWARE:FI(Future Internet)WARE(次世代インターネット基盤ソフトウェア)。FI-PPPが次世代インターネット技術における欧州の競争力強化と、社会・公共分野のスマートアプリケーション開発を支援するために、開発した基盤ソフトウェア。
TISは、FIWAREの推進団体「FIWARE Foundation」にゴールドメンバーとして参画しています。参考URL:https://www.fiware.org/

実証実験により、複数種類のLPWAからのデータを可視化したことで施設管理に活用できる様々な情報を入手できることが分かりました。具体的には、以下のような利用が考えられます。

  • 施設の温湿度データから、どの場所の空調管理が必要かわかり、施設の環境改善を図る
  • 施設の利用状況により来館者が興味のある展示物や図書の種類を特定することで、展示物などの充実を図る
  • 館内アナウンスによる来館者の移動情報を分析することで、アナウンスの有効性や効果的な情報がどういったものなのかを検討することができる
  • 閲覧室の利用状況から利用者への有益な情報を提供する

TISでは、センサーデータから収集された情報が多くの課題解決に利用できると考えており、今後は定常的、季節ごと、イベントごとなどの計測や、センサー以外の情報との組み合わせによる分析などを行い、富山市や他自治体に提案を行っていきます。

背景

多くの地域では人口減少や少子高齢化により、健康寿命の延伸やインフラ・公共施設の維持管理の効率化、行政サービスの向上などの課題を抱えています。こうした課題の解決策として、先進技術を活用したスマートシティの取り組みに関心が高まっています。スマートシティの取り組みにおいては、IoTデバイスによるデータ収集とそのための通信環境の最適化や、収集したデータの分析や可視化の仕組みが重要です。

そこでTISでは、スマートシティの実現に向けて、今回のような実証実験を通じた事業開発に取り組んでいます。
TISは、あらゆる環境からデータを収集・分析し、施設管理や防災、防犯、観光、健康、少子高齢化、農業など様々な分野のデータを組み合わせて活用することで、多様な分野で住民サービスの向上に寄与する新たなサービスの創出を目指しています。

本実証実験の概要

施設に設置したLPWAのZETAとLoRaWANの通信環境で、IoTデバイスによる温湿度や照明などの環境データや利用状況、人流データを収集して、「富山市センサーネットワーク」のFIWAREに集約しました。温湿度センサー・人感センサー・照度センサーを50個、博物館での人流調査にはビーコン25個を利用し1日100グループの来館者にご協力いただき、可視化を実施しました。

ZETAセンサー・LoRaセンサー センサーの設置

富山市科学博物館

実施期間 2019年12月10日(火)~12月28日(土)
実施内容 1. 館内温度・湿度の可視化
2. 人の移動の可視化
施設URL http://www.tsm.toyama.toyama.jp/

富山市立図書館本館

実施期間 2020年1月8日(水)~1月31日(金)
実施内容 1. 閲覧室利用状況の可視化
2. 書庫の温度・湿度可視化
3. 開架図書エリアの利用状況可視化
施設URL https://www.library.toyama.toyama.jp/wp/wp-content/uploads/2013/01/open.pdf

本実証実験は、富山市がIoT技術の発展と産業創出や豊かな暮らしの実現を目的として「富山市スマートシティ推進基盤を利活用した実証実験」の公募を行い、TISの提案が採択され実施しました。TISがZETAとLoRaWANを利用したIoTデバイスによるデータを収集し、通信環境の最適化検証とFIWAREへのデータ集約、情報分析、可視化するWebアプリの開発および検証を行いました。テクサーがZETAおよびLoRaWANセンサーの提供と支援を担当しました。

株式会社テクサーについて

テクサーは、次世代LPWA技術ZETA規格の日本総代理店を務め、ZETA日本アライアンスの代表理事企業かつZETA中国アライアンスの創立メンバーです。IoT関連センサデバイス、ネットワーク機器の開発・販売そしてスマート農業、スマートビルティングなどのIoTプラットフォーム事業も展開しています。常に日本のIoT分野の先頭に立って、日本のSociety 5.0で掲げられている超スマート社会の実現に向けて、日中のアライアンスメンバーと協力しながら、革新的なソリューションを提供しています。 詳細は以下をご参照ください。https://techsor.co.jp/index.php

TIS株式会社について(http://www.tis.co.jp/

TISインテックグループのTISは、SI・受託開発に加え、データセンターやクラウドなどサービス型のITソリューションを多数用意しています。同時に、中国・ASEAN地域を中心としたグローバルサポート体制も整え、金融、製造、流通/サービス、公共、通信など様々な業界で3000社以上のビジネスパートナーとして、お客様の事業の成長に貢献しています。

TISインテックグループについて

TISインテックグループはグループ社員約2万人が一体となって、強みを活かし、国内および海外の金融・製造・サービス・公共など多くのお客様のビジネスを支えるITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして、未来の景色に鮮やかな彩りをつけていきます。

参考別紙

実験の概要

  1. 1.IoT環境の構築におけるLPWAのZETAとLoRaWANを活用した用途に応じた最適化を検証し、ZETAおよびLoRaWANの両LPWAのデータを2通りの方法で収集しました。ひとつは、センサーからのデータをそれぞれのLPWAサーバーに送り、FIWAREにデータとして連携。もうひとつは、複数のLPWAサーバーをコントロールするサーバー経由でFIWAREにデータとして連携しました。
  2. 2.温湿度センサー、照度センサー、人感センサーを利用し、収集したデータを「富山市ンサーネットワーク基盤」のIoTプラットフォーム「FIWARE」に集約し、分析して可視化しました。

富山市科学博物館での成果

  1. 1. 館内温度・湿度の可視化
    部屋や場所ごとに温湿度を折れ線グラフとヒートマップにより可視化したことで、データを活用しやすくし、環境改善につなげられるようになりました。エリアにより、温度差が2~5度程度あり、体感として温度の違いも感じることもわかり、温度調整の必要性を見える化できました。また、湿度に関しては、展示物ごとの湿度の適正状況が把握することができるため、展示物の劣化対策などにも活用できると考えています。
  2. 2. 人の移動の可視化
    来館者にビーコンを持って見学してもらい、博物館での過ごし方や効果的なアナウンスができているかなど展示やイベント時の人流の状況を可視化しました。アナウンスの効果やグループ属性別の展示滞在時間などを見える化できたことで、来館者がどの展示に興味があるのか、展示物アナウンスの有効性などを確認することができました。

富山市立図書館本館での成果

  1. 1. 閲覧室の利用状況の可視化
    閲覧室の各席にセンサーを配置し、閲覧室の利用状況をパソコンやスマホにて表示できるようにし、利用者の利便性向上を図れました。また、各座席の利用有無のデータも取得できるため、席とり防止などにも有効ではないかという意見もいただくことができました。
  2. 2.図書棚の利用状況の可視化
    参考図書の棚ごとにセンサーを配置し、どの棚がよく利用されているかの可視化を行いました。参考図書は、借り出しできないものが多く、貸し出履歴では利用の状況を把握することは困難でしたが、棚ごとの大まかな利用状況は見える化することができました。
  3. 3. 書庫の温度・湿度可視化
    本館の特別展示室や貴重図書、書庫などの温湿度を見える化し、貴重図書などの             書籍の保管状況を確認することを可能にしました。これにより、例えば窓に近い部屋は湿度が外部の状況により左右され、同じ部屋の空調や出入口の近くでは湿度が違うことなどが可視化されたため、書籍の保管位置や空調管理など有効な対策が打てるようになると考えます。

可視化データのイメージ

■富山市立図書館本館

場所ごとの温湿度の変化 温度変化をヒートマップ

閲覧室の利用状況 図書棚ごとの利用状況

■富山市科学博物館

来館者の展示・イベントの利用時間 案内アナウンスと人の動き

本件に関するお問い合わせ先

報道関係からのお問い合わせ先

TIS株式会社 企画本部 コーポレートコミュニケーション部 浄土寺/橋田
TEL:03-5337-4232 E-mail:tis_pr@ml.tis.co.jp

本件に関するお問い合わせ先

TIS株式会社 テクノロジー&イノベーション本部
Smart Society推進室
TEL:03-5909-4501 E-mail:info-ssp@ml.tis.co.jp

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※ 記載されている情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。

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更新日時:2024年4月1日 13時47分