Strategy

03新市場/ビジネスモデル創造

経済発展と社会課題の
解決に向け、
デジタル社会の新たな
産業アーキテクチャを描く

経済発展と社会課題の解決に向け、
デジタル社会の
新たな産業アーキテクチャを描く

TIS戦略 図解|新市場/ビジネスモデル創造

FCB(フロンティア市場創造ビジネス)

TISグループが保有する技術・業務ノウハウ、顧客基盤を活かして、社会・ 業界の新たなニーズに応える新市場/ビジネスモデルを創造し、⾃らが事業 主体となってビジネスを展開するTISの戦略の一つ。

FCB(フロンティア市場創造ビジネス)

INDEX

01

地域の産業構造をアーキテクトし、サービスを創造する

地域の物流構造をアーキテクト
社会課題の解決から新市場を創造する

「政府のデジタルガバメント戦略にのっとって、様々な事業体や自治体、政府やステークホルダーとスキームを作り、新しい産業・市場・事業をつくる組織。つまり、デジタル社会をアーキテクトする集団です」。TISのデジタル社会サービス企画部について、エキスパートの河合裕幸は、こう説明する。同部門が特に注力している社会課題の一つが、都市への集中による地方衰退である。「私たちのチームが拠点にしているスマートシティAiCTは、会津若松市が、首都圏などのICT関連企業のオフィスを集積し、地方創生・地域活性化を推進することを目指して設置した場所です。TISは、その考え方に賛同し、AiCT内外の他社と協働しながら、様々なプロジェクトを推進しています」。その中の一つに、国が進めるデジタル社会の推進と会津若松市の地域課題、TISの知見が融合して進められた「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」がある。
「AiCTにオフィスを構えてから、TISは、地域コミュニティ・地域事業者・自治体が一体で生み出す地域共創型サービスの可能性を模索していました。東京にいるだけではわからない地方の現状を理解しようと、企画の住吉美樹が中心になって、地域事業者や住民との対話に力を入れていたのです」。その中で地域住民の減少によって引き起こる3つ課題が浮き彫りになっていた。①地元小売業の消滅②人手不足による運送業の疲弊③利用者減少による地域交通網の縮小である。
「買い物難民と呼ばれる人たちの問題があり、一方で、商店や交通事業者も収益を落としていた。ならば、新しいサービス事業を創って、それらの課題を解決しようとなったのです。そこから、自動走行ロボットも組み入れた、ロボットシェアリング型の配送サービスが発案されました」。
しかし、課題解決の方法として、「ITありき」ではなかったという。
「誰が、どういう部分で困っていて、どういう仕組みやサービスがあれば解決できるのか。そこから逆算して、サービス提供の大枠の産業スキームを考えていきました。私たちが考えたのは、システムの構成ではなく、どういう人たちとどう手を取り合えばいいか、という事業の構成でした」。

地域の産業構造をアーキテクト。新たなサービスを創出する
  • POINT01

    地方創生、地域活性化はTISが力を入れているテーマの一つ

  • POINT02

    会津若松市のIT関連企業集積拠点『AiCT』の考えにTISも賛同

  • POINT03

    地域コミュニティ・地域事業者・自治体が一体で生み出す地域共創型サービスを模索

02

人とロボットの力をインテグレートする

人とロボットの力を
インテグレート、
自動走行ロボットを
物流システムに投入

「新しい事業は、どのような構成であるべきか」。地域に関わりのあるNPO、バス・タクシー会社、スーパーマーケット、地域商社、行政、ロボットメーカーなどからなる「事業推進検討委員会」が立ち上げられ、地域課題や地域事業者の抱える課題の整理と、その解決策が繰り返し議論された。「その結果、地域住民の生活基盤を担う地域事業者を存続させることで、 地域住民の“Quality of Life“を維持・向上させ、“地域の維持”に繋げる新しいサービスを創出しよう、ということになりました」。
買い物代行サービス、ECサイト、飲食店デリバリサービスなどでお客様が購入した商品を、「地域移動・配送シェアサービス」で届ける案が考えられた。コストとなる”物を運ぶ”部分を協調領域とし、路線バスやタクシー、商品を積載するNPO職員などをリレー式でつなぎ、地域で輸送力を共有するのである。
「物を運ぶ手段の一部に、人と協調して働くサービスロボットを組み合わせて、物流事業者の人手不足を補うことにしました」。TISは労働力不足の解決策として、道案内や掃除、警備などを担うサービスロボットの社会実装に取り組んできた。
「人が働く領域にサービスロボットを組み入れようとすると、人の手作業でやっていたこととシステムをうまく融合させて、インテグレートする必要が出てきます。ロボットメーカーではなくインテグレーターが活躍できる分野として、TISが期待されているのです」。
折しも経済産業省が、「物流事業者の人手不足と非接触の新しい配送サービスにロボットを活用すること」を検討していた。TISは、高齢化が進む過疎地での配送に自動走行ロボットを活かす案をNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に提案し、採用。その実証実験の場として、会津若松市の中山間地域に白羽の矢が立ったのである。

実証実験の様子 実証実験の様子
  • POINT01

    地域課題解決のために、地域と共に「事業推進検討委員会」が立ち上げられた

  • POINT02

    地域事業者等と協力したサービスを立案

  • POINT03

    TISは、ロボットによる人の業務代行・分担を実現するサービスロボットインテグレーションに強みを持っている

  • POINT04

    サービスの実証フィールドは会津若松市の中山間地域が選ばれた

03

総合ITサービス企業だから
地域の産業アーキテクチャを描くことができる

独立系総合ITサービス企業
だからこそ、
地域産業のアーキテクチャを描くことできる

実験に使われた自動走行ロボット技術を地域の配送業務に実装したのは、坂本諒太である。「ロボットを社会実装するには、先端技術だけでなく、人の力とロボットをどうインテグレートするか。また、ハードウェアやインフラ、バックエンド、アプリなど幅広い知識も必要になります。ロボットメーカー、大学、行政、地域事業者と連携しながら、遂行しました」。
「人の力」が行う部分は、住吉が地域住民との間に信頼関係を築いてきたことが生かされた。「街中をロボットが走る姿を見て、『何か新しい未来が来たね』と、みなさん興味津々でした。『このようなサービスが実現すると将来安心です』と言って頂きました。」(住吉)
新しいサービス事業が、中山間地域の買い物難民問題を解決するサービスに成りうることが実証された。一方で、得られた知見やデータによって、事業化に向けた課題も浮かび上がってきた。
「配送料の設定やロボットへの積み下ろし体制の確保をどうするか。ロボットを集落拠点のどこに配置するか。ロボットの社会受容性向上に向けた取り組みをどうするか。ロボット走行実現に向けた、ルールの整備も必要です」。今後も、検討が続いていくことになる。
今回のプロジェクトでは、会津若松市の地域課題の解決に繋がる新たな事業を創出しようという流れと、ロボットで新しい配送サービスを実現しようという流れが交わって、地域共創型サービスの検討に取り組むことができた。
「TISは、総合ITサービス企業として、決済、ヘルスケア、ロボット、エネルギー、AI等の幅広い技術と顧客網を持っています。加えて、コンサルティング~開発~運用まで、トータルに手掛けられる強みもある。『こんなものを作ってみよう』と思ったときに、スピーディーに対応できるTISの力を再認識できましたし、自治体からの評価やプレゼンスも高められたと思います」。
今後も、地域課題の解決に繋がる地域共創型サービスの創出に力を入れていく。

独立系総合ITサービス企業だから地域産業をアーキテクトできる 独立系総合ITサービス企業だから地域産業をアーキテクトできる
  • POINT01

    自動走行ロボットを使用した配送サービスの実証実験を実施

  • POINT02

    既存ルールの改定など新たな課題に挑む

  • POINT03

    TISには、総合ITサービス企業としての強みがある

  • POINT04

    地域の新産業アーキテチャを描くことが、地域共創型サービスに繋がる

RELATED POSTS

関連記事

OUR PHILOSOPHY

時代を動かす社員たち 03