人材戦略
経営戦略と連動した「人材戦略」を策定し、人材への積極的な投資を行っています。
人事ポリシー
TISインテックグループでは、「人材」を最も重要な資本と捉え、ビジネス革新や市場創造につながる社員一人ひとりの新たな挑戦を支援するために積極的な人材投資を進めています。企業理念であるOUR PHILOSOPHYで示すとおり、私たちは、価値交換を通して社会の期待や人々の幸せに貢献する「幸せ追求」の社会システムでありたいと考えています。社員が「自発的な貢献意欲」を持ち、プロフェッショナルとしての成果を発揮することで、会社と社員が共に成長し続ける状態を目指します。
担当役員メッセージ
当社グループにとって人は財産です。創業当初より、お客様のために高品質なシステムやサービスを構築、提供し、安全に運用するというサイクルを基盤として事業を拡大してきました。これらは優れた人材があってこその成果であり、「全ての基盤が人である」という前提に立って、人材戦略を推進しています。
2021年度から始まった中期経営計画(Be a Digital Mover 2023)においては、「人材の精鋭化、多様化」に着目し、多様な人材が意思と意見をもって活躍できる組織と、マネジメントを高度化する施策を推進しています。経営の目指す方向性に共感し、自発的な貢献意欲をもってプロフェッショナルとして価値を提供できるよう、チャレンジの機会を積極的に提供し、成長を支援する仕組みを整えています。その人ならではの強みや特性を引き出し、事業を通して社会に貢献する喜びを実感できるような組織をつくり、ITが社会に提供する無限の可能性を広げていきたいと考えています。
人材戦略推進責任者
TIS常務執行役員 人事本部長 高柳京子
人材戦略全体像
人材戦略は経営戦略を支える成長基盤です。中長期的な経営目標であるグループビジョン2026に向かって、DX提供価値の高度化、構造転換を実現するために、人材戦略を策定し、戦略に基づく人材への投資を強化しています。目指す事業目標から必要とされる人材ポートフォリオを定義し、これを実現するために求められる優秀な人材獲得、育成、ダイナミックな人材配置や登用を進めます。あわせて、多様な人材活躍を支える人事・報酬制度の拡充、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、ウェルビーイングな環境構築・浸透をはかります。
●TISインテックグループの人材戦略モデル
●動的な人材ポートフォリオ
事業や事業戦略実現に向けた構造転換を牽引する特定人材(※1)および各事業領域で継続的に強化が必要な注力人材(※2)について、現状を踏まえ、拡充すべき目標を人材ポートフォリオとして可視化しています。人材ポートフォリオでは中長期的な視点で人材に求められる「経験やスキル要件」の定義に基づきレベルごとの人数を事業領域ごとに算定し、事業変化に合わせて定期的かつ柔軟に見直しを行っています。
人材戦略は、人材ポートフォリオ達成に向け、「人材獲得」「人材開発」「人材配置」、および共通基盤として多様な人材活躍を支える「持続可能なエンゲージメント」から構成されています。また、各戦略の実行状況を把握・分析し、その遂行をサポートする「HRDX基盤の整備」を併せて推進しています。
(※1) 経営候補人材、DXコンサル人材、事業リーダー
(アカウントマネージャー、サービスオーナー)
(※2) PM人材、ITアーキテクト人材、カード決済人材
●「キャリアフレーム」を活用した人材ポートフォリオの可視化
新たなビジネスモデルへの対応と従業員の複線的なキャリア形成を目的とし、TISでは2023年4月より「キャリアフレーム」を導入しました。事業の中期的な目標達成に必要な人材要件、そのレベルや人数をキャリアフレームを用いて定義し、現状とのギャップを把握したうえで、拡充に向けた採用・育成・配置を推進します。
社員は複数の分野で専門性を高め、求められる役割を担うことができるよう、キャリアフレームを活用し、中長期のキャリアを描きます。目指すキャリアは一つに絞らず、いくつかの複線的な道筋で捉え、教育・業務経験などを通して、自らの能力や専門性の向上を図ります。
キャリアフレームの構造
推進体制
人的資本に関する方向性はコーポレートサステナビリティ委員会で議論され、取締役会に報告されます。人的資本に関する施策は経営会議で評価・審議され、取締役会に報告されます。グループ各社では、人事方針に沿った施策の企画・立案を行うとともに、事業組織ごとに設置されたHRビジネスパートナーと連携。HRビジネスパートナーは、各事業の環境や課題に合わせて人材戦略を落とし込み、現場における人材獲得、育成、配置、組織風土改革等、施策の遂行支援・アドバイスを行うことで、事業戦略の実現に貢献します。
●HR組織における4つの機能
当社グループでは効率的な人的資本のマネジメントのため、4つの機能を有しています。
人材戦略の立案機能 | グループ人材ポートフォリオを策定し事業戦略と人材戦略の連動を高めます。人材戦略全体の方針を立案するとともに人材関連施策を企画し、グループ会社の各人事部門へ展開します。 |
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HRビジネスパートナー機能 | 事業戦略の遂行に必要な人材の要件を分析し、中長期的な視点で、人材の先鋭化・高度化を行います。また、事業経営トップとビジネスや組織の課題を共有し、事業環境や課題に合わせた現場における人材獲得、育成、配置、組織風土改革、事業戦略の実現を支援します。 |
HRサービス提供機能 | 人材戦略に基づいたHRサービス(採用・配置・評価/昇格・労務管理・福利厚生等)の設計と、社員に対するHRサービスの提供を行います。 |
HRDX基盤整備機能 | 人材管理のDX化と人材データの収集・管理・分析基盤を構築し、人材戦略に係る意思決定を支援します。 |
●HRビジネスパートナーと事業組織の連携
- 各戦略ドメインの遂行に必要な人材のスキルレベル、専門領域、人数といった要件をキャリアフレーム(※3)を用いて分析し、現状(ASIS)をふまえた「人材ポートフォリオ」(TOBE)を作成。実績を踏まえた見直しを定期的に行い、中長期的な視点で人材の先鋭化・高度化に取り組んでいます。
- 人材の育成・採用・登用・配置については、事業経営トップとHRビジネスパートナー(HRBP) がビジネスや組織の課題を共有し、事業目標の達成を目指して活動サイクルを回しています。
(※3)中長期的な事業戦略を実現するために、会社として必要な人材やそのレベルを明確化したもの
●「人材戦略」を支えるHRDX
- TISでは人材戦略の成果を測り、人材の価値を見える化する「HRDX基盤」の整備に着手しています。HRレポートやTMS(タレントマネジメントシステム)(※4)を通して、データドリブンな経営戦略の遂行、および社員一人ひとりの自律的なキャリア形成を支援します。
(※4) HRレポート:成果指標のモニタリング、データドリブンな意思決定を支援
タレントマネジメントシステム(TMS):人材ポートフォリオと社員のキャリアプランを融合し、社員の自律的なキャリア形成をサポート
人材投資
当社は、人材への投資を「採用」「育成」「環境」「報酬」の4つの分野で進めています。
市場価値の高い人材、多様な経験や専門性を有する人材の獲得、特に「社員と会社の価値交換の善循環」実現の観点として、【働く意義】【働く環境】【報酬】の3つの軸が重要と考えています。
2023年度に、社員に対するさらなる先行投資として、全社員を対象とした「基本給水準」の引き上げを実施するとともに、事業を牽引する高度人材と若手層の早期抜擢、昇格促進、自律的なキャリア形成支援に向けた人事制度・報酬制度改定を行いました。これにより、社員のエンゲージメントと成長意欲を高め、優秀人材のさらなる確保を進めます。
●納得できる報酬
- 市場から見てトップレベルの報酬水準
- 事業を牽引する高度人材へ重点投資
- 採用力強化にむけ若手層へ重点投資
●成長機会の提供、キャリア制度の拡充、働く意義の向上
- キャリアアップ・チェンジが実現できるフィールドの提供
- 一人当たりの教育費、教育日数の拡大
- 社内外における成長機会の提供
●働きやすい、働く活力を高める環境
- 働く環境の整備、柔軟な働き方を選択できる制度
- 社員の活力や集中力を高めるプログラムの提供
- 心理的安全性の高い組織づくり
- 会社と社員の目標の重なりを最大化し、社員の働く意義を高める制度・仕組みの整備
- 社員のニーズに合わせた福利厚生の提供
●採用プロセスの高度化
- 採用ブランディングの強化
- 市場価値の高い人材、多様な経験や専門性を有する人材の獲得
人材データ
人材戦略の成果指標として、以下の非財務データを開示しています。
人材戦略の成果指標として、グループ主要7社(※5)において目標を設定し、実績のモニタリングを行っています。
モニタリング結果は経営に報告、人材に関する課題を共有し、人材戦略のブラッシュアップを図ります。
(※5) TIS、インテック、アグレックス、クオリカ、AJS、TISソリューションリンク、 およびTISシステムサービス