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HOMEプロジェクト・ストーリー > 06.住宅金融支援機構×TIS

前人未到の領域へ

住宅金融支援機構×TIS
住宅金融支援機構×TIS

PROJECT MEMBER

(写真左より)

  • 川口 昌宏

    モダナイゼーションビジネス開発部 部長

    プロジェクトマネージャーを担い、ピーク時、総勢200名もの体制を率いてプロジェクトを牽引。

  • 津田 浩一

    モダナイゼーションビジネス開発部 エキスパート

    COBOLからJavaへのリライトの実現性を検証するPoCを遂行。技術課題の解決を推進し、テストチームの指揮を執る。

  • 並川 晃幸

    モダナイゼーションビジネス企画部 主査

    テスト計画の策定をはじめ、テスト戦略立案と品質管理の中心を担い、津田、山本と共にテストチームを牽引。

  • 千葉 亮太

    モダナイゼーションビジネス開発部

    新入社員としてプロジェクトに参画。テストチームとしてオフショアと連携しながらテスト実行を担当。

  • 山本 亜佐美

    モダナイゼーションビジネス開発部 主査

    複数ベンダーとの折衝をはじめ、テスト実行推進の中心を担い、津田、並川と共にテストチームを牽引。

  • 永渕 智恵子

    モダナイゼーションビジネス開発部 上級主任

    現行システム資産の棚卸をはじめ、顧客や現行システムベンダーとの調整窓口を担い、テスト工程を推進。

1. 始動

COBOLを中心とする約3万本のプログラムをJava化。どう品質を担保するか。

いま多くの大企業が抱えているIT課題のひとつが「モダナイゼーション」(下部COLUMN参照)。このモダナイゼーションに関する案件についてもTISはこれまで数々の実績を上げているが、なかでも今回のプロジェクトは過去に類を見ない大規模なものだった。

クライアントは、政府系金融機関である住宅金融支援機構様(以下JHF様)。同社に全国約600の金融機関がネットワーク接続している、COBOLで構築された大規模なメインフレームの「総合オンラインシステム」を、Java環境に完全移行することがTISに託されたミッションだった。プロジェクトで中心的な役割を果たした川口はこう語る。

「我々が挑むことになったのは、住宅ローン債権を管理している、COBOLを中心とする約3万本のプログラムを、Javaへマイグレーションすることでした。Javaへの移行は高い変換率を誇る自社開発の変換ツールで自動化が可能ですが、その後のテストでいかに品質を担保するかが最大の課題になると予想されました。」

与えられたテスト期間は24カ月。前例のない大規模マイグレーションであり、24カ月で品質を確実に担保できるのか、不安要素は少なくなかったと川口は言う。特にテストフェーズは社内だけではまかなえない作業量であることから、当初からオフショアの利用が念頭に置かれていた。そして白羽の矢が立ったのが、上海から車で90分程に位置する、凌志(Linkage Software)の蘇州開発センター。日本のSI業界からの受注をメインとし、社員への日本語教育も行われている。そして同社への品質テストの委託をリードしたのが並川だ。

「まず凌志からリーダークラス4名を日本に招き、TISのオフィスで自動変換ツールの検証作業や要件定義などに加わってもらうことから協力体制がスタートしました。そのリーダークラスの方々にオフショアの現場の品質テストの管理を担ってもらうために、プロジェクト全体をどう進めるべきかなどを一緒に議論し、TISのプロジェクト管理や品質に対する考え方を共有していきました。」

プロジェクトメンバーの一人である山本は、同じオフィスで凌志のメンバーと仕事をともにした印象をこう語る。

「会話もメールの文章も、とにかく日本語が流暢。ジョークで場を和ませてくれるユーモアもある。優秀なだけでなく、仲間として一緒にやりやすいなと感じました。」

2. 挑戦

オフショアとの対立。状況を“見える化”して困難を突破。

既存プログラムのCOBOLからJavaへの変換に先立ち、約3万本のプログラムから不要なものを洗い出す作業が行われた。そこに関わった永渕は「テストの量を減らすためにこの“棚卸し”は重要でした。どのような機能なのか必要な資産であるのかも機械的に判断できないため、なかなか終わりが見えなかった」と当時の苦労を振り返る。

その後、自動変換ツールによるJavaへの変換が実施され、テストの第一段階となる新旧アプリケーションの比較テストがスタート。その際、JHF様も参加する凌志 蘇州開発センターの視察が実施された。そこに同行した並川はこう語る。

「JHF様に現地のセキュリティ環境に不安がないことや、国内と遜色のないエンジニアの実力をご覧いただき、安心していただきました。また、JHF様が自らこのプロジェクトへの思いを凌志のメンバーへ説明され、お客様との一体感もそこで生まれました。」

並川にとっても、中国のオフショアに赴くのは初めての経験。その印象を「まず感じたのは、メンバーの性格の明るさ。そして、我々を行きつけの地元のお店に連れて行ってくれるなど、一体感を高めることに配慮してくれました」と語る。

こうしてオフショアでのテストがスタートしたが、いきなり問題が勃発した。プロジェクトを技術面から支えたエキスパートの津田はこう語る。

「なにせ長期に及ぶテストですから、計画の細かな変更が頻発。毎週のようにスケジュール変更を余儀なくされ、我々も凌志側も混乱状態に陥って……当時、急に深夜まで10人、20人規模で残って作業してほしいとお願いせざるを得ない事態もたびたび生じ、だんだん関係が険悪になっていった。特に長期戦ではコミュニケーションのズレは致命傷に繋がるので『まずいな』と感じていました。」

そのためにチームが取り組んだのが、状況の“見える化”だった。並川は言う。

「凌志メンバーには単にスケジュールを伝えるのではなく、日本はどんな状況にあり、今後どうスケジュールを組み替える必要が出てくるのかを理解してもらうことに努めました。」  

さらに津田、並川をはじめとするメンバーは、トータルで10回以上中国に足を運んで意識のズレを埋めていった。津田は語る。

「テレビ会議越しの会話だけでは伝わらないこともある。 『いま日本チームはこんな思いで取り組んでいる』と凌志のメンバーに直接伝えることで、関係は段々と良くなっていきました。」

3. 達成

海を越えての一体感。それがこのプロジェクトを成功に導いた。

プロジェクトが進むにつれて、永渕は「TISも凌志も、同じチームとしての信頼関係が深まっていた。責任を一人で抱え込まないで『一緒に協力してやっていこう』というムードが感じられた」と言う。川口も凌志メンバーのモチベーションが徐々に高まっていくのを感じたと語る。

「委託した作業は、住宅ローンの業務知識やお客様の要件の理解までは必要ないものでした。しかし、凌志は自主的に『そこまできちんと理解しよう』と勉強会も開いていました。」

プロジェクトに関わった若手の千葉は、凌志を訪問した際の出来事をこう語る。

「メンバーの机の上に、日本で出版された住宅ローン関係の本が何冊か置かれていたんです。聞けば、ほとんどのメンバーが読んでいるとのこと。自分の方が業務知識の面で遅れてしまっているのでは、と焦りました。」

実は千葉は入社1年目に、凌志で実施された新人研修に参加している。当時、お世話になった現地社員の日本語が驚くほど上達し、コミュニケーション力が大いに高まっているのを目の当たりにして、オフショアはすごいスピードで進化していると感じたという。

こうしてプロジェクトに関わったすべてのメンバーが力を尽くし、プロジェクトはスケジュール通りに完遂。マイグレーション後のシステムが無事本番稼働を開始した。川口曰く、「アプリケーションに起因する中規模障害はほとんど発生しておらず、この規模ではかなり優秀な結果だと思います。お客様からも『想定していた以上に品質が高かった』と感想をいただきました。」

このプロジェクトは社内でも高く評価され、社長表彰でMVPも獲得した。山本は「今回のプロジェクトは、オフショアの凌志を含めてとにかく一体感がすごかった。MVP受賞は全員の努力の結晶」と語る。永渕も「誰もが大変な状況なのに、フロアの各所や会議室から笑い声が聞こえてくる。こうしたチームワークが大変な状況を乗り越える力を生んでくれた」と言う。最後に川口はこう締めくくる。

「ここにいるメンバーだけでなく日本・中国の全員が、各自の能力を超えて頑張ってくれました。実力をつけた凌志のメンバーは、複雑に絡みあうプログラムを熟知したうえで、高度な保守業務に活躍してくれています。私自身を含めて人の育成という点でも、非常にいい成果を上げることができたプロジェクトだったと思います。」

※所属、職名等は、インタビュー当時のものです。
※TIS、TISロゴはTIS株式会社の商標または登録商標です。
※その他の会社名、商品名、サービス名は各社の商標またはサービスマークです。
ミッション

メインフレームで構築されている金融機関の基幹システムをオープン化。COBOLを中心とする約3万本のプログラムをJavaにリライトする。

成果

独自のリライトツールを駆使してプログラム変換を効率的に進め、オフショアの多数のメンバーとチーム一丸となって品質テストを実施し、スケジュール通りにマイグレーションを完遂。

FUTURE

今後は業務知識をお客様と同等のレベルまで向上させ、単なるSIベンダーの枠を超えて、ビジネスのパートナーとして頼られる存在を目指していく。

COLUMN

大規模プロジェクトを得意とするTISにしかできないモダナイゼーションを。

デジタルトランスフォーメーションが加速するいま、企業のシステムにはビジネス変化に素早く対応できる柔軟性が求められている。そんな中、現在稼働している旧来の情報システムを、その資産を活かしながら最新のITに対応させ、競争力強化に繋がるシステムへと置き換えていく「モダナイゼーション」への関心はいっそう高まっており、TISでは課題解決に大きく貢献するソリューションも数々提供している。たとえば、COBOLからJavaへのリライトを実現する独自の自動変換ツール「Xenlon~神龍 Migrator C2J」もそのひとつ。上で紹介したプロジェクトにおいても、「今回の住宅金融支援機構様の大規模なマイグレーション案件を受注できたのは、TISが独自に開発したJavaへの自動変換ツールをご評価いただいたことも大きい」と川口は語る。

さらに、2018年秋からはソリューションをいっそう拡充し、「脱メインフレーム」だけではなく、事前のアセスメントから移行後のシステムの最適化・最新化までをサポートするメニューを取りそろえた「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」を提供。大規模プロジェクトに定評のあるTISの実力が、大いに発揮されるフィールドがいっそう広がっている。

お客様名
独立行政法人 住宅金融支援機構
事業内容
証券化支援業務、住宅融資保険業務、融資業務など
従業員数
896人(2018年4月1日現在)
主な拠点
本店/東京 支店/全国主要都市に8店舗
URL
https://www.jhf.go.jp
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